【5月28日 AFP】第76回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で27日、フランスのジュスティーヌ・トリエ(Justine Triet)監督の『Anatomy of a Fall(原題)』が最高賞「パルムドール(Palme d'Or)」を受賞した。今年は女性の活躍が目立った。

 女性監督がパルムドールを受賞するのは3人目。同作は夫殺害の容疑に問われた女性作家をめぐる法廷劇で、ドイツ人俳優のザンドラ・ヒュラー(Sandra Hueller)も好演している。

 パルムドールなど賞を競うコンペティション部門の全21作品中、7作品が女性監督の作品。複雑な女性を描いたものが多かった。

 記者会見では「この賞を受賞した3人目の女性となったことを非常にうれしく思う。状況はまさに変化していて、良い方向に向かっている」と述べた。

『Anatomy of a Fall』では、重要な役を演じたボーダーコリー犬のメッシも、最も優秀な演技を披露した犬に贈られる「パルム・ドッグ賞(Palm Dogs)」を受賞した。

 ドイツのヴィム・ベンダース(Wim Wenders)監督の『Perfect Days(原題)』で主演した役所広司(Koji Yakusho、67)が男優賞を、脚本家の坂元裕二(Yuji Sakamoto)さんが是枝裕和(Hirokazu Kore-eda)監督の最新作『怪物(Monster)』で脚本賞を受賞した。

 主な受賞結果は以下の通り。

〈パルムドール(最高賞)〉
『Anatomy of a Fall』ジュスティーヌ・トリエ監督

〈グランプリ〉
The Zone of Interest(原題)』ジョナサン・グレイザー(Jonathan Glazer)監督

〈監督賞〉
The Pot-au-Feu(原題)』トラン・アン・ユン(Tran Anh Hung)監督

〈女優賞〉
メルヴェ・ディズダル(Merve Dizdar)『About Dry Grasses(原題)』

〈男優賞〉
役所広司『Perfect Days』

〈脚本賞〉
坂元裕二『怪物』

〈審査員賞〉
Fallen Leaves(原題)』アキ・カウリスマキ(Aki Kaurismaki)監督

(c)AFP