【5月27日 AFP】英国自転車連盟(British Cycling)は26日、トランスジェンダー女子選手がエリートレベルの女子大会に出場することを禁止する新方針を発表した。「公平性」を優先することが狙いだとし、今後はカテゴリーを「オープン」と「女子」に分ける。

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 トランスジェンダーの女子と男子、ノンバイナリー、出生時の性別が男性であった選手は今後、「オープン」カテゴリーへの出場資格を得る。

 女子のカテゴリーでは引き続き、出生時の性別が女性である選手と、ホルモン療法を開始していないトランスジェンダー男子の出場が可能となる。

 連盟は昨年、トランスジェンダー女子選手のエミリー・ブリッジズ(Emily Bridges)が国内選手権の女子オムニアムへの出場を試みたことを受け、トランスジェンダーとノンバイナリーの選手の参加規定を一時停止していた。

 今回の新たな方針は、英代表チームのメンバーを含む選手や利害関係者との9か月にわたる協議を経て策定された。新規定の適用時期は決まっておらず、連盟は「年内」までにとだけ明かしている。

 ブリッジズはソーシャルメディアで、今回の動きは「暴挙」だとし、連盟を「破綻した組織」と非難。「スポーツをより多様性のあるものにすることには関心がなく、自分をより良く見せたいだけで、それすらも失敗している」とつづった。 

 トランスジェンダー選手の扱いをめぐっては、2020年にワールドラグビー(World Rugby)がトランスジェンダーの女性がエリートや国際レベルの女子大会に出場することを禁止し、こうした方針を打ち出した最初の国際競技連盟となった。

 今年3月にはワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)が、ワールドアクアティクス(World Aquatics、世界水連)に追随する形で、トランスジェンダー女子選手の女子競技への参加を禁止した。(c)AFP