【10月30日 AFP】スポーツ界でトランスジェンダー女性が女子種目に出場することについて議論が広がりを見せる中、トランスジェンダーの自転車選手、レイチェル・マッキノン(Rachel McKinnon、カナダ)が、自身には女性種目に出場する権利があると主張した。

 スポーツ界では国際陸上競技連盟(IAAF)が先日、トランスジェンダーの女子選手はテストステロン値を著しく下げなくてはならないとする新規則を導入した。しかし、スウェーデンのカロリンスカ研究所(Karolinska Institute)によれば、トランスジェンダー女性のテストステロン値を抑制しても、筋力を減らす効果は限定的だとされている。

 マッキノンもその研究結果を知っていると言うが、トランスジェンダー女性が競技に参加することは人権で保障されていると話す。

 今月英マンチェスターで行われたUCIマスターズ・トラック世界選手権(2019 UCI Track Cycling World Masters Championship)の女子スプリント35歳~39歳の部で連覇したマッキノンは、大会開幕前に英スカイニューズ(Sky News)に対し、「すべての医療記録は私が女性であると示している」「医師には女性として扱われているし、レース資格も女性。でも私の存在に反対する人は、いまだに私を男性だと考えたがっている」と述べた。

「女性より男性の方が強いという固定観念が存在するから、人々は不当なアドバンテージがあると考える。トランスジェンダーの女性が競技するのを妨げたり、薬の服用を義務付けたりするのは、人権を否定しているのと同じ」

 また、トランスジェンダー女性が他の女子選手よりも身体的な優位性を持つことはあり得るとした上で、「1位の男性選手と1位の女性選手よりも、同じ性別の1位と8位の選手の差の方が大きい五輪競技は多い」と付け加えた。(c)AFP