パリ五輪で試されるフランスが誇る「美食術」
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【7月1日 AFP】ガストロノミー(美食術)を誇るフランスは今、2024年パリ五輪で選手ら1万5000人に食事を提供するという究極の課題に直面している。
国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)は10年、「フランスのガストロノミー」を無形文化遺産に登録した。
ユネスコによると「ガストロノミーは決まった構成を重んじなければらない。食前酒で始まり、前菜、魚か肉もしくは魚と肉のメイン料理に野菜の付け合わせ、チーズ、デザートが続き、食後のリキュールで終わる」と規定されている。
パリ五輪で食事の提供を担当する仏ケータリング事業大手「ソデクソ(Sodexo)」のレストランで、これほど完璧なコースの提供は現実的には期待できないかもしれない。さらに、アスリートとして最盛期にある選手らは、タイトなスケジュールの中で、競技に集中したいはずだ。そのような豪勢な食事を楽しもうとする人はほとんどいないだろう。
期間中に提供される食事は1日当たり約4万食で、大半がフランス産の食材を使用したものになる。
ソデクソはこれまで、子会社の「ソデクソ・ライブ!(Sodexo Live!)」を通じてテニスの全仏オープン(French Open)など重要なスポーツ大会で食事を提供した経験がある。
ソデクソ・ライブ!のナタリー・ベロンザボ(Nathalie Bellon-Szabo)最高経営責任者(CEO)は5月初旬、大会期間中のケータリング事業に向けて約6000人を雇用すると明らかにした。
選手村に加え、全国の競技会場14か所とパラリンピック会場8か所でも食事を提供する。
五輪主催者は、地元で採れた食品に重点を置き、通常より野菜を多く提供するとしている。
軽食から一流シェフによる料理まで、五輪・パラリンピック期間中に提供される予定の約1300万食のうち、80%はフランス産の農産物を使用することを目標に掲げている。