パリ五輪で試されるフランスが誇る「美食術」
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■300万本のバナナ
パリ五輪組織委員会でケータリング・清掃・廃棄物のプロジェクトマネジャーを務めるフィリップ・ビュルツ(Philipp Wuerz)氏は「物流が大きな課題だ」と指摘する。
行列ができないようにする、健康的で多様かつ高品質な食事を提供する、料理の25%は各会場から「250キロ圏内」で調達した食材を使うなども課題に挙げられる。
ソデクソ・ライブ!のステファヌ・シシェリ(Stephane Chicheri)総料理長は「こうしたイベントには慣れているが、これほど長期間のものはなかった」と述べた。
メニューは年内に決定される予定で、選手らは500種類の料理から選ぶことができる。
だが、ビュルツ氏は、食材を100%フランス産にすることは不可能だと指摘する。「選手のためにおよそ300万本のバナナを用意するが、パリ近郊でバナナは栽培されていない」
ビュルツ氏によるとバナナやトロピカルフルーツ、米は「オーガニックまたはフェアトレード認証」を受けたものになるという。
一方、肉と乳製品はすべてフランス産で、魚介類は持続可能な漁業で採れたものを使用する。
レシピは、16年リオデジャネイロ五輪のセーリングで銅メダルを獲得したエレーヌ・ドフランス(Helene Defrance)氏を始め、選手や栄養士に相談して作っている。
ドフランス氏は、軽食やカーボローディングなど各選手の食習慣に合わせたものでなければならないため「セットメニューはない」と説明した。
パリ北郊セーヌサンドニ(Seine-Saint-Denis)の選手村では、フランスの伝統的高級料理「オートキュイジーヌ」も提供される。
フランス料理の著名シェフ3人が、メインダイニングホールの隣にそれぞれのスペースを設ける。
組織委員会でケータリングのプロジェクトマネジャーを務めるマキシム・ジャコブ(Maxime Jacob)氏は、メインダイニングホールは3600席あり、フランス料理だけでなくムスリム選手向けのハラル料理など、世界の料理を提供すると述べた。
大会をより持続可能にするため、使い捨てプラスチック削減のため会場には給水器が設置されるほか、パラリンピック終了後は調理器具やカトラリーはすべて再利用される予定だ。(c)AFP/Deborah CLAUDE / Rebecca FRASQUET