【5月26日 CNS】さまざまな人生計画と考慮から、現在、一部の大学生が卒業延期制度を利用している。最近、中国青年報の社会調査センターは問卷網(Wenjuan.com)と共同で、2001人の回答者を対象に調査を実施し、73.1%の大学生が周りに卒業を延期する同級生がいると回答した。

 武漢大学(Wuhan University)のある学院の専任の大学院生キャリアカウンセラーの楊輝(Yang Hui)さんは、学生の就職指導を担当している。彼は、学生の卒業延期は2種類あると述べている。

 一つは学業の問題による卒業延期であり、主に学籍の変動や卒業論文の不合格によるもので、これは「受動的な」卒業延期に分類される。もう一つは近年の新たな傾向であり、就職のニーズから積極的に卒業延期を申請して現役学生の身分を保持するものだ。「学生の学業には問題がないが、口頭試問に参加しないか、卒業論文を提出しないといった行動は、さまざまな大学で見られ、近年ますます増えている」と、楊輝さんは述べた。

 卒業延期の理由として他には、自分の計画とペースに従いたい(39.4%)、一年の余裕を持って修士課程入学試験や公務員試験の準備をしたい(38.5%)、気に入る仕事が見つからなかった(37.6%)、交換留学や起業などの事情で学習期間を延長する必要がある(26.2%)、卒業シーズンに多くのことを同時に行うだけの精力がなかった(24.6%)などがある。

 もし就職がうまくいかない場合、39.8%の大学生回答者がまずは就職してから職業を選ぶと考えると答えた。21.5%の回答者は修士・博士課程への進学や留学を考える。13.6%の回答者は卒業延期を利用し、現役学生の身分を保持する。16.1%の回答者は自営業や就業を選ぶ。8.3%の回答者は待業し、ゆっくりと気に入る仕事を探す。

 楊輝さんは、卒業延期の割合が増加している現象について、まず学校が思想教育の指導を強化する必要があると考えている。また、卒業の選別メカニズムを厳格化し、誰が卒業延期できるかどうかを区別する必要がある。さらに、入学時から学生のキャリア教育を強化し、就職意識を高め、就業スキルを向上させる必要がある。

 楊輝さんは、キャリアの観点から見れば、卒業延期は非常に慎重になるべき決定だと述べている。就業の理由で卒業延期を申請しようと考えている学生に対し、まず自分がなぜ卒業したはずの年に理想の仕事を見つけられなかったのかを明確にする必要があると考えているのだ。

 彼はまた、自己反省や調整を行わずに、単に就職希望を「現役学生身分」に託すことは、「木に縁りて魚を求む(木に登って魚を探そうとする)」に違いはないとも述べている。(c)CNS-中国青年報/JCM/AFPBB News