パンダの飼育員が難しい理由 中国で応募は数百人、採用ゼロ
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【4月24日 CNS】愛らしい姿が人気のパンダに、中国であらためて人気が高まっている。成都パンダ繁殖研究基地(Chengdu Research Base of Giant Panda Breeding)の「花花(Hua Hua)」や北京動物園(Beijing Zoo)の「萌蘭(Meng Lan)」など、個性豊かでかわいい「スターパンダ」もいる。インターネットのライブ配信でその姿を見続ける人は多く、実際に現地に訪れる人は「1時間並んで3分だけパンダを見る」のが当たり前でも、苦にしていない。
そんな中、江蘇省(Jiangsu)溧陽市(Liyang)の天目湖(Tianmu Lake)風景区にあるパンダの施設が飼育員を募集し、1日で280人もの応募があったが採用はゼロだったことが、ネット上で「パンダ飼育員は最も難しい職業」と話題となった。
江蘇農林職業技術学院の畜産学と獣医学を専攻し、2015年から飼育員として働く李子瀟(Li Zixiao)さんは「畜産学などの基礎知識があれば、決して難しい職業ではない。パンダの飼育ノウハウは就職後にチームで覚えていく」と説明。「今回の応募でも何人かが候補に選ばれたが、仕事の内容を詳しく聞いた後、自ら辞退している」と明かす。
大人のパンダは毎日、重さ25キロの竹を食べる。飼育者はそれを数回に分けて運ぶ必要がある。さらに排泄物の掃除や消毒、一人で徹夜して山小屋で見張り活動をするなど、飼育員の仕事は過酷な肉体労働だ。
にぎやかな都会を離れて人里離れた竹林に行き、昼夜を問わずパンダの世話をするのは、若者にはかなりの覚悟が必要。さらに、毎月の給料は約5000元(約9万7201円)と高くなく、休みは週休1日が基本。観光客の来る休日は仕事になる。パンダに「会う」のが好きな人は多くとも、「働く」となるとハードルが高いのが実情という。(c)CNS-武漢晩報/JCM/AFPBB News