【3月23日 CNS】中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)によると、2022年の人民元預金額は26兆2600億元(約505兆円)増加した。増加額は前年比で6兆5900億元(約127兆円)。このうち預金者の預け入れは17兆8400億元(約344兆円)増加し、2021年の増加額と比べて7兆9400億元(約153兆円)の伸びだった。

 2021年に2万人以上が回答した調査によると、若い世代の76%が貯蓄を増やす理由を「非常時の準備金を増やすため」と答えている。

 30歳の女性、莫星(Mo Xing)さんは「将来何が起こるかは決して分からない。お金を節約することは本当に重要だ」と話す。2022年5月10日に莫さんは借金を完済した。

 この借金は、莫さんが大学を卒業する前に発生したものだ。当時、インターンシップに忙しかった莫さんは、両親からお金を借りるのが恥ずかしく、学生ローンで借りたお金で買い物などをしてしまった。2019年11月、満足のいく仕事が見つからなかった莫さんは、2万5000元(約48万1530円)をさらに借り入れた。

 その後、莫さんは上海の銀行に就職し、与信部門に配属されたが、この時点で彼女のローンの元金と利息は6万元(約116万円)に達していた。

 その後、彼女は必要のないものは一切買わず、誘惑に負けないようにショッピングアプリもアンインストールした。莫さんは借金を完済した後、クレジットカードも解約し、残高だけで生活することにしている。

 中国人民大学(Renmin University of China)大学院の陳彦斌(Chen Yanbin)副院長は、2022年の貯蓄額増加について、「3つの理由がある。一つ目は、コロナの影響下で、オフラインの消費シーンが大幅に制限されたこと、二つ目は不動産市場が下落したこと、三つ目は、アフターコロナの不確実性が高まり、将来の不安から貯蓄するようになったことが考えられる」と述べている。(c)CNS/JCM/AFPBB News