【5月18日 AFP】中央アジア・キルギスの首都ビシケクの裁判所は16日夜、ウクライナ紛争にロシア側で参戦したとして、32歳の男に傭兵(ようへい)行為の罪で禁錮10年の有罪判決を言い渡したと明らかにした。ロシアは現在、中央アジアの旧ソ連構成国出身者の傭兵採用を強化している。

 現地メディアによると、ウクライナでここ数か月、中央アジア出身者数十人が戦死している。ほとんどはロシアの正規軍か民間軍事会社「ワグネル(Wagner)」の一員として参戦したという。

 男は参戦を否認している。しかし、裁判所は、男が報酬として月給18万ルーブル(約31万円)とロシアのパスポートを約束され、昨年6~11月にウクライナ東部ドンバス(Donbas)地方に滞在していたと認定した。

 男は西部ジャララバード(Jalal-Abad)州出身で、傭兵になる前は無職だった。ロシアの首都モスクワで、ウクライナ東部ルガンスク(Luhansk)州を支配するロシア側行政府「ルガンスク人民共和国」に加わった。

 人権団体「Kylym Shams」によると、ウクライナにおける傭兵行為の罪でキルギス人が有罪判決を受けたのは今回が初めて。

 ロシアは依然として中央アジア出身者の主要移民先となっている。祖国を遠く離れ、貧しく、ロシア語を話すこうした移民は、ロシア軍とワグネルの勧誘の標的にされることが多い。

 中央アジア諸国の政府は、伝統的にロシアと同盟関係にあるが、ウクライナ紛争には参加しないよう自国民に繰り返し呼び掛けている。(c)AFP