【5月17日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の妻ブリジット(Brigitte Macron)氏の親族の男性が15日、一族が経営するチョコレート店のそばで反政府デモの参加者から暴行を受けた。政治的動機によるとみられる犯行に批判が集まっている。

 ジャンバティスト・トロニュー(Jean-Baptiste Trogneux)さん(30)は15日夜、北部アミアン(Amiens)にある店舗上階の自宅に戻ろうとした際、暴行を受けた。

 トロニューさんの父親が翌16日にAFPに語ったところによると、反政府のデモ隊がトロニューさんを取り囲み、「大統領夫妻と家族」を侮辱した後に暴行に及んだ。

 また父親はBFMテレビに対し、トロニューさんは肋骨(ろっこつ)が折れたほか、頭や手にけがをしたと明かした。

 ブリジット氏は異例の声明を出し、犯行の「卑劣さや愚かさ、暴力性」を非難。またマクロン氏も、「容認できない」と憤った。

 15日は、マクロン氏がテレビインタビューに応じている最中に抗議デモが行われ、事件はこの直後に発生。地元警察は、8人の身柄を拘束したと発表した。

 ブリジット氏の一族は、アミアン中心部で6世代にわたりチョコレート店を営んでおり、6年前にマクロン氏が大統領に就任して以来、店舗がデモ隊の標的となっている。

 マクロン氏が年金支給開始年齢を62歳から64歳に引き上げる年金制度改革を推し進めたことを受けて、仏国内では近年最大規模の抗議デモが繰り広げられている。(c)AFP/Catherine BOITARD with Adam PLOWRIGHT in Paris