【4月13日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の妻ブリジット(Brigitte Macron)氏が13日、70歳の誕生日を迎えた。だが、それについて本人がすすんで語ることは期待できそうにない。

 ブリジット氏は女性誌「S」が1月に行ったインタビューで、誕生日当日に予想される大々的な報道を恐れる様子を隠そうともせずこう語っていた。「皆さん、間違いなくその話を聞くでしょう。私は当日、何一つ読まないつもり」

 ブリジット氏は10年以上にわたり、夫との25歳という年齢差について常に取り沙汰されてきた。前夫との間に3子をもうけたブリジット氏は、かつて仏北東部の私立校で教師として勤務しており、マクロン氏は教え子の一人だった。

 マクロン氏が公職に就くと、夫妻の結婚はセンセーショナルに取り上げられた。近年では夫妻の愛情深い親密な関係が知られ、懐疑的な声は減ったが、型破りな大統領夫妻への関心と、ブリジット氏の年齢への言及がやむことはなかった。

 同じS誌のインタビューでブリジット氏は「自分たちの関係性を他者に薦めたことは一度もない。そういう形もあるということであって、説明はできない。もちろん、同年代の方が楽だと思う」と語った。

 AFPはブリジット氏の広報室に誕生日の予定について問い合わせたが、公表は差し控えるとの回答だった。

 ブリジット氏は以前から、政治家の妻という立場を積極的には望んでおらず、マクロン氏が公職に就くことにも反対だったと報じられている。マクロン氏が再選を目指した昨年4月の大統領選の際も、その消極的な姿勢に変化は見られなかった。

 地方の裕福な家庭に生まれ、父は地元アミアン(Amiens)でチョコレート店を営んでいたというブリジット氏。夫よりも保守的とみられており、右派のニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)元大統領とも友好的な関係にある。

 各国の大統領夫人に関する著作があるロベール・シュナイダー(Robert Schneider)氏は「当初、ブリジット氏には二つの顔があった。(マクロン氏との結婚で)社会の慣例を打ち破った自由な女性という顔、もう一つは地方の中産階級出身でカトリック、育ちが良く装いはシックで、右派に投票する保守派の顔だ。だが現在は後者の方が優勢になっている」との見方を示した。

 フランス国内では、ブリジット氏が政策に与える影響力をめぐる臆測が絶えない。顧問らからのメッセージを大統領に届ける伝言役であると同時に、夫が自身の考えを最初に相談する人物でもある。

 教師時代は演劇を教えていたブリジット氏は、マクロン氏の演説や会見に強い関心を示し、発声やメッセージの伝え方についてアドバイスしているとされる。

 2021年にはルモンド(Le Monde)紙の取材に「夫に『こうしろ、ああしろ』と言ったことは一度もない」と明言したブリジット氏。マクロン氏は、側近に対してと同じように「いつも私がどう思うかを尋ねる。その後は、自分がしたいようにしている」という。

 S誌に若々しさを保つ秘訣について聞かれたブリジット氏は、自身の日課についてこう明かした。「毎日30分運動する。自分だけで、コーチはいない。バランスの取れた食事をし、物を書いたり読んだりして過ごしている」 (c)AFP/Adam PLOWRIGHT