スリランカで近年最大のゾウ害、農民が対策要求
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【5月17日 AFP】スリランカ北部マハウィラックチヤ(Mahavilachchiya)で16日、50頭ものゾウの群れに国立公園近くの畑を荒らされたのを受け、農民が地方庁舎に集まりゾウ害への対応を求めた。
農民によると、ゾウの群れが七つの村で作物の半分近くを食い荒らし、近年最大のゾウ害となった。
野生動物当局者が銃を手にトラクターに乗り、爆竹を鳴らしてゾウの群れを追い払った。子どもに危害が及ぶ恐れがあるとして、農民と当局者が学校に駆け付けた。
今回のゾウ害でけが人は出なかったが、スリランカでは毎年、約50人がゾウに殺されている。一方、農民側も銃、毒、電気柵などでゾウ250頭以上を殺している。
地方長官は、ゾウを国立公園に追い返す計画は雨で延期されているが、来週実施すると農民に説明した。
ゾウ害対策として、2年ほど前に警備員に武器を支給したが、イノシシやシカの狩りに流用されたため回収したという。地元住民によると、電気柵も設置されたが、正常に作動していない。
仏教徒が多数派を占めるスリランカで、神聖視されているゾウを殺せば死刑とされているが、ほとんど起訴されることはない。
2011年の調査によると、1900年に1万2000頭だったスリランカの野生ゾウの個体数は、子ゾウ1100頭を含む7379頭となっている。(c)AFP