【5月11日 AFP】ポーランドのバルデマル・ブダ(Waldemar Buda)開発・技術相は10日、同国に接するロシアの飛び地カリーニングラード(Kaliningrad)のポーランドでの呼称を、歴史的な呼称であるクルレビエツ(Krolewiec)に戻すと発表した。クルレビエツはドイツ語ではケーニヒスベルク(Konigsberg)と呼ばれる。

 ポーランド語における外国語名称の標準化を担う国家委員会の勧告に基づく対応だという。

 ブダ氏は「われわれはロシア化を望んでいないことから、ポーランド語におけるカリーニングラード州と州都カリーニングラードの呼称変更を決定した」と説明した。ポーランドの公式文書や地図では今後、クルレビエツが使用されることになる。

 発表を受け、ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は「もはやロシア嫌いですらなく、狂気に近い」「ポーランドにとって何の利益にもならない。非友好的な行為を超えた敵対的行為だ」と反発した。

 この地域は1255年、ドイツ騎士団によって建設された。ボヘミア王オタカル2世(King Ottokar II)にちなんでケーニヒスベルクと命名され、ポーランド語ではクルレビエツと呼ばれていた。だが、第2次世界大戦(World War II)後ソ連に編入され、1946年にソ連最高会議幹部会議長ミハイル・カリーニン(Mikhail Kalinin)にちなんでカリーニングラードと改名された。

 ブダ氏は「何よりも、1940年にカチン(Katyn)でポーランド人将兵を大量虐殺する決定を下した共犯者の一人であるカリーニンにちなんだ名前を付けた事実は、ポーランド人に否定的な感情を呼び起こす」と批判した。(c)AFP