ロシア飛び地をチェコに併合? SNS大喜利状態
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【10月6日 AFP】バルト海(Baltic Sea)に面したロシアの飛び地カリーニングラード(Kaliningrad)をチェコに併合しようというジョークがソーシャルメディアで拡散し、笑いを引き起こす一方、真に受けた人の怒りを呼んでいる。
ポーランドとリトアニアに挟まれたカリーニングラードは13世紀、ドイツ騎士団によって建設され、ボヘミア(現在のチェコ)王オタカル2世(Premysl Otakar II)に敬意を表してケーニヒスベルク(王の山)と名付けられた。ドイツ領となっていたが第2次世界大戦(World War II)後、ソ連領となりカリーニングラードと改称された。
ポーランド人の自称「インターネットの教皇」は9月、「カリーニングラードを分割し、われわれの兄弟であるチェコが海にアクセスできるようにする時が来た」とツイッター(Twitter)に投稿。カリーニングラードを、ポーランド領とチェコ領に分割した地図を添付した。
ロシアがウクライナ4州を併合したことを受け、チェコとポーランドではこの投稿をきっかけにさまざまなジョークやミームが飛び交った。
「カリーニングラードを再びチェコに!(Make Kaliningrad Czech Again!)」として、チェコの首都プラハにあるロシア大使館前で10日にイベントをしようと呼び掛けるものもある。
ポーランドのツイッターユーザー、トマシュ・コメンタシュさんは空母の画像を投稿し、チェコの歌手、故カレル・ゴット(Karel Gott)さんの名前を冠した空母が「カリーニングラード基地からバルト海に出航する」と投稿した。
ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がリラックスした様子で「カリーニングラードの状況はどうだ?」と電話で尋ね、次のコマでは緊張した面持ちで「どういうことだ、もしもし?」と聞き返す画像も話題を集めている。
チェコ第2の都市ブルノ(Brno)とポーランドの首都ワルシャワ、カリーニングラードを地下鉄で結ぼうという提案もある。
また、ロシアからバルト海経由で欧州に天然ガスを輸送する海底パイプライン「ノルドストリーム(Nord Stream)」とチェコ人が愛するビールをかけて、プラハとカリーニングラードを「ビールストリーム2(Beer Stream II)」でつなごうという計画もある。
チェコの政治家で欧州議会(European Parliament)議員のトマシュ・ズデホフスキー(Tomas Zdechovsky)氏は、「ビールストリーム2」を盛り上げようとツイッターでシェアしたが、ロシアでは不評だった。
ニュースサイト「ユーラシア・デーリー(EurAsia Daily)」は、ズデホフスキー氏の投稿を「報復主義的」と非難。カリーニングラードの併合を求める偽の嘆願書の作成者らを「扇動家」と呼んだ。
これを受け、ズデホフスキー氏はツイッターで「ロシア人はユーモアに欠ける」と皮肉った。(c)AFP