【5月5日 AFP】共和党が多数派を占める米フロリダ州議会は4日、未成年のトランスジェンダーに対し、性別適合関連の医療を提供することを禁止する法案を可決した。

 法案はトランスジェンダーの未成年者を対象とした性別適合手術や、二次性徴抑制剤、ホルモン療法などの提供を禁止するもの。すでにそうした医療を受けている未成年者に対しては例外規定が設けられる。

 大統領選への出馬が濃厚な保守派のロン・デサンティス(Ron DeSantis)知事(44)の肝煎り法案で、同知事が署名すれば州法として成立する。

 地元紙マイアミ・ヘラルド(Miami Herald)によると、共和党のラルフ・マッスーロ(Ralph Massullo)州下院議員は審議で「私たちは存在しないものを存在するように話すことはできない。性別を変えることはできない」「この法案が対象とする子どもたちは、性別は変えられないという事実を学ぶ必要がある」と述べた。

 こうした動きに対し、LGBTQコミュニティーの権利擁護団体「イコーリティ・フロリダ(Equality Florida)」などは憤慨している。

 同団体の公共政策担当ディレクターを務めるジョン・ハリス(Jon Harris)氏は「これは医療の自由や親になる自由に対する攻撃だ」と非難。「この運動は政治的野心に基づいているが、フロリダの家族に現実的な影響をもたらす」と警告した。

 米国で共和党が優勢な12州では、ここ数か月で同様の法案が可決されている。(c)AFP