【5月4日 CNS】中国内陸部の重慶市(Chongqing)にある鉄鋼大手、重慶龍文実業集団の財産管理部副部長である陳浩(Chen Hao)氏は「遊休資産だった屋根がグリーン発電所になるとは思いませんでした」と驚く。

 同社は鉄鋼企業として、多くの電力を消費している。しかし、社屋の屋上には、太陽に照らされて輝く太陽光発電パネルがずらりと並ぶ。このパネルを通して、太陽光がリアルタイムで電気に変換され、電力網に供給されて、企業内で使用されている。

「私たちの屋上分散型太陽光発電プロジェクトは正式に稼働して3か月弱ですが、効果は完全に予想を上回りました。年間60万元(約1193万円)以上の電気代節約を実現する見込みです」と陳さんが話す。

 また、この屋上分散型太陽光発電プロジェクトは、今後25年間に二酸化炭素排出量を約1万6000トン削減する見込みだという。

 ここ数年、中国では分散型太陽光発電の発展を促進するため、中央政府、地方政府の支援策が相次いで導入されている。重慶市エネルギー発展第14次5か年計画(2021〜2025)」では、エネルギー供給・消費構造における石炭の割合を減らし、クリーンエネルギーの供給比率を継続的に高めるとされている。

 屋上太陽光発電の建設を進め、工業団地や経済開発区、公共建築物の屋上での分散型太陽光発電の普及・利用を加速させるとの方針だ。5か年計画の最終年である2025年までに、重慶市におけるクリーンエネルギーの導入比率を50%に引き上げるとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News