亡くなって2年後 「彼」は突然バスケットボール場に現れた
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【4月28日 CGTN Japanese】中国のSNSである微博(ウェイボー)では27日、「亡くなって2年後、『彼』は突然バスケットボール場に現れていた」という話題がトレンド入りしました。この日は中国湖南省の少年、葉沙君の6回忌でした。
16歳だった葉沙君は2017年4月27日、突然の脳溢血で不幸にもこの世を去りました。息子を亡くした葉君の両親は悲しみながらも、息子の臓器を提供してほかの形で生きさせようという苦渋の決断をしました。このことで、7人の移植希望者が待ち望んでいたドナーに恵まれ、葉君の心臓、肺臓、肝臓、二つの腎臓、二つの角膜の移植によって生き返ることになりました。
臓器移植は、ドナーも移植者も身分を明かさないという原則がありますが、移植者は恩返しの気持ちで葉君の両親と連絡を取り、葉君がバスケットボールが好きな少年だったことを知りました。移植者5人はこの16歳の少年のバスケットボールの夢を継続するために、バスケットボールチームを結成しました。チーム名は「葉沙(YESHA)」としました。背番号はそれぞれ「20」「1」「7」「4」「27」で、組み合わせると葉君が臓器を提供した日であり、移植を受けた人が生まれ変わった日でもあります。
この特殊なチームは2019年、女子バスケットボールのナショナルチームと親善試合を行いました。6000人以上の観客が総立ちで観戦し、拍手を送りました。「葉沙(YESHA)」のメンバーは「下手ではありますが、葉君の夢を叶えてあげられて何よりだ。とにかく、この大きな愛をつないでいきたい」などと説明しました。
「葉沙」はチャリティー試合の参加で、臓器提供事業の広報活動に参加してきました。リーダーの周海さんはよく「僕は葉沙、葉沙の肝臓だ」と自己紹介していました。周さんは昨年6月13日に病気で亡くなりましたが、生前に眼病患者2人に角膜を提供することを決めていました。
葉君はこの世から遠く離れてしまいましたが、彼と彼のチームは、愛と温もりを今もつなぎ続けています…(c)CGTN Japanese/AFPBB News