仏に広がる「鍋たたき」で再注目 鍋と抵抗の歴史
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■中南米でも大騒音
その鍋が20世紀に入ると、世界中の抗議デモで使われるようになった。まず1950~60年代にフランスの植民地だったアルジェリアで、独立に絡み鍋をたたく市民の姿が見られた。
だがこの「鍋たたき」がより大きな存在感を示し始めたのは、大西洋を渡り中南米に届いてからだった。
チリでは71年、サルバドル・アジェンデ(Salvador Allende)政権下の食糧不足をめぐる抗議デモで大きな注目を集めた。その数十年後には、アルゼンチン政府が経済危機のさなかに行った預金封鎖を受け、首都ブエノスアイレスのデモで数万人が鍋を打ち鳴らした。
以降、東南アジアのミャンマーや北米カナダでも抗議デモで鍋が使われている。
■フランスに「鍋たたき」再来
フランスでは近年、政治家や政策への不満を表現する際に、鍋が再び使われるようになった。
2017年には大統領選候補のフランソワ・フィヨン(Francois Fillon)元首相が架空の職務の給与名目で妻に公金を不正に支払っていたことが明らかになり、選挙活動中に鍋たたきにさらされた。
それから6年、今度はマクロン大統領の年金制度改革をめぐり、鍋の音が再び大きくなっている。
マクロン氏がテレビ演説を行った17日夜には、同氏の声をかき消すように各地で鍋たたきが呼び掛けられた。
これを受けて20日には、マクロン氏が訪問予定だった南部エロー(Herault)県当局が「携行できる音の出る道具」の禁止を発表した。(c)AFP/Emilie BICKERTON