【4月20日 AFP】今月英国で行われたウルトラマラソンで、コースの一部を車に乗って進んだスコットランド人女性ランナーが失格になった。

 47歳のジョアシア・ザクゼウスキさんは、今月7日に英マンチェスターからリバプール間で行われた50マイル(約80キロメートル)のレースに出場し、3位に入っていた。その後、ザクゼウスキさんが1マイル(約1.6キロメートル)を1分40秒で走破したことが地図データから分かり、車で2.5マイルほど進んでいたことが判明した。

 現在はオーストラリアに在住している医師のザクゼウスキさんは英BBCに対し、レース中盤に痛みを感じ、係員に棄権を伝えるつもりで次のチェックポイントまで友人の車に乗せてもらったと明かした。

「チェックポイントに到着したとき、私は棄権することと車に乗ったことを告げたが、係員は『やめたら自分が嫌いになるよ』と言ってきたんです」

「私は競争ではない形で続けることに同意したんです」

 ゴールすると、ザクゼウスキさんはメダルとトロフィーを渡され、記念撮影のポーズに応じた。前夜にオーストラリアから到着したばかりだったというザクゼウスキさんは「トロフィーを受け取ったのは大きな間違いで、返すべきだった」と続けた。

「疲れと時差ぼけで気分が悪かった。写真を撮らずにトロフィーを返すべきだったけれど、体調が悪く、頭がぼんやりしていて、はっきりと考えられなかった」

 ザクゼウスキさんは、レース後に競技者として走っていないことを関係者に伝えずに後悔しているとしつつ、「悪意はなく、ミスコミュニケーションだった」と付け加えた。

 ザクゼウスキさんは2014年のコモンウェルスゲームズ(Commonwealth Games、英連邦競技大会)の女子マラソンで14位に入った経験を持ち、ウルトラマラソンではいくつもの記録を保持している。(c)AFP