【12月20日 AFP】マラソン大会に出場することを考えても、その距離に尻込みしてしまう?気楽に。お金を払えば誰かが代わりに走ってくれる。

 今月10日に中国南東部の福建(Fujian)省アモイ(Xiamen)市で開催されたハーフマラソン大会で、一人のランナーが心臓発作で亡くなったことで、予想もしなかった不正行為が発覚した。

 フィニッシュラインから4.5キロ手前でこのランナーが心臓発作に襲われたとき、はじめは悲劇的な死かと思われた。

 ところが、その後の調査によって、この人物が実は替え玉ランナーだったことが判明。国営新華社(Xinhua)通信は18日、不正をはたらいた本物のランナーは、大会から永久追放処分になったと報じている。

 さらに、国営紙・北京青年報(Beijing Youth Daily)の報道で、この大会に登録された選手1万8000人のうち、30人が失格になったと伝えられた。

 処分理由については明らかにされていないものの、報道内容によれば、レースで100位以内に入った高校生は大学入試に向けて単位を稼ぐことができるとたきつけられ、これが不正の動機につながった可能性があるという。

 今回の不正行為に対し、ソーシャルメディアで批判が集中する一方で、レース主催者の責任を問う声も上がっている。

 新華社通信は、「規則正しいトレーニングの経験や自制心を持たない者は、撮影した写真をソーシャルメディアで公開し、世界に向けて自分たちは最先端の『健康的な』生活を送っていると自慢したいだけ」というマイクロブログのサイトに投稿された文章を報じている。

 自分でレースに登録できない町外のランナーの代わりに、出場しない人がゼッケンを手にすることも可能だと主催者側は認識しており、「ゼッケンを交換することは禁じられているが、それを見つけることは困難」とコメントしている。(c)AFP