【4月18日 AFP】リアリティー番組「ビッグブラザー(Big Brother)」のスペイン版出演者が撮影中に別の出演者に性的暴行を加えた事件で、加害者の男に1年3月の禁錮刑が言い渡された。裁判所の資料で17日、明らかになった。

 ホセ・マリア・ロペス(Jose Maria Lopez)被告は、カルロタ・プラド(Carlota Prado)さんに、6000ユーロ(約90万円)の慰謝料支払いのほか、4年間の接見禁止も命じられた。慰謝料については、番組の制作会社も一部支払い責任があるとされた。

「ビッグブラザー」は数週間にわたって参加者が撮影用の家にこもり、一挙手一投足を24時間カメラで追跡される人気リアリティー番組。

 事件は2017年11月4日未明に発生。前夜からのパーティーで飲酒したプラドさんは酩酊(めいてい)状態だった。

 裁判資料によると、ロペス被告はプラドさんが泥酔状態にあると知りながら、また、プラドさんが拒否したにもかかわらず、「性的衝動に駆られ、ベッドの中で被害者のズボンを脱がせ、布団の下で性的な動き」を始めた。

 そうした状態が数分間続いた後、被害者の顔と腕が見え、意識を失っていることが分かり、(プロデューサーらが)介入したという。ロペス被告は間もなく番組から降板させられた。

 暴行の映像が放送されることはなかったが、プロデューサーらは翌朝、プラドさんに性的暴行されている際の映像を突きつけ、精神的に打ちのめしたとして非難を浴びた。

 事件は2年後にニュースサイト「エル・コンフィデンシアル(El Confidencial)」が、プロデューサーとプラドさんとのやりとりの映像を公開し初めて公になった。この中でプラドさんは、暴行の際の映像の消去を懇願していた。

 裁判は昨年2月に開始される予定だったが、プラドさんの精神的な苦痛を理由に延期されていた。(c)AFP