【4月11日 AFP】フィリピンと米国は11日、過去最大の年次合同軍事演習を開始した。両国には、アジア太平洋地域で影響力を拡大する中国に対抗する狙いがある。

 フィリピン語で「肩を並べる」という意味の「バリカタン(Balikatan)」と名付けられた今年の演習には、2週間で米軍1万2200人、比軍5400人、さらにオーストラリア軍からも約100人と、昨年の倍近い数の兵士が参加する。今回は初めて、南シナ海(South China Sea)での実弾演習も行われる予定。

 中国は10日まで3日間にわたり、自国の一部と見なす台湾への空爆や封鎖をシミュレートした軍事演習を行った。中国は南シナ海の大部分についても、領有権を主張している。

 今回の演習では、台湾から約300キロ離れたルソン(Luzon)島北端沖にある島への軍用ヘリでの着陸や、陸海軍合同で別の島を奪還するという想定の訓練などが行われる。

 合同演習の実施は、フェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)大統領の就任後では初となった。

 比軍報道官は首都マニラの基地で行われた演習開始時の式典で「われわれの領土を守る上で、奪取された島を奪還する訓練と演習は欠かせない」と述べた。(c)AFP