【4月8日 AFP】ウクライナは7日、2014年にロシアに併合された南部クリミア(Crimea)半島の領有権を放棄するというブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領による和平案を一蹴した。

 ウクライナ外務省のオレグ・ニコレンコ(Oleg Nikolenko)報道官は、「ウクライナの領土を1センチでも譲ることを正当化する政治的・道徳的理由はない」「和平調停の試みはいかなるものであれ、主権尊重に基づき、ウクライナの領土保全を完全に回復するものでなければならない」とフェイスブック(Facebook)に投稿した。

 ルラ氏は6日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は「すべてを手に入れることはできない」として、ウクライナがクリミア半島の領有権を放棄して和平交渉を開始すべきとの考えを示唆していた。

 ルラ氏は来週、同じく和平案を提示している中国を訪問する際、本件についても協議するとみられている。ウクライナ紛争の解決に向けた多国間グループの創設も提案しており、訪中後の実現を「確信」していると述べている。(c)AFP