【4月7日 Xinhua News】中国天津市が3月初めに開催した外資・サービス業重点プロジェクトの第1回集中契約式では、日本やドイツ、フランス、シンガポールなどの国・地域の外資プロジェクト17件の契約が締結され、総投資額は153億3千万元(1元=約19円)に上った。関連分野は航空、自動車部品、バイオ医薬品、金融サービスなど多岐にわたった。多くの外資系企業の責任者が取材に対し、中国経済は安定と回復の基調を維持しており、中国市場は極めて魅力的だと述べた。

 日本の空気圧制御機器大手SMCは1994年に中国に進出して以降、北京、広州、天津に続々と工場を設立。中国の整った産業条件と幅広い顧客層から、同社は絶えず発展のチャンスを得てきた。傘下子会社のSMC(天津)製造の馬清海(ば・せいかい)総経理によると、22年の中国売上高は100億元を超えた。

 同社は今年、10億元を増資し、第2期プロジェクトとして15万平方メートルの空気圧制御部品工場の拡張を計画する。馬総経理によると、同工場で製造された空気圧制御部品は、集積回路(IC)、半導体、リチウム電池、太陽光発電などの分野の自動化ハイエンド設備に提供される。新工場稼働後の年間生産額は15億元に上り、同社最大の中国工場になる。

 天津市では今年、日本の自動車部品メーカーのアドヴィックスによる投資額4億4千万元の部品工場拡張プロジェクト、あいおいニッセイ同和損保の中国法人である愛和誼日生同和財産保険(中国)への3億7500万元の増資、フランスの航空機エンジン製造大手サフランの投資額1千万ドル(1ドル=133円)のエンジンナセル工場設立など、外資系企業による積極的な事業拡大が相次いでいる。

 これは多くの外資系企業が中国市場を有望視し事業を強化している縮図と言える。中国商務部のデータによると、1~2月の実行ベース外資導入額は2684億4千万元で前年同期比6・1%増え、うちハイテク産業は32・0%増となった。

 中国は今年、政府活動報告で「外資の誘致と利用にさらに注力する」ことを今年の八つの重点活動の一つとし、一連の措置を打ち出し、「中国の開放的な大市場は必ずや各国企業の中国事業の発展により多くのチャンスを与える」と強調した。これは中国を深く耕す外資系企業にとって大きな安心材料となった。

 中国国際貿易促進委員会が160以上の中国に展開する外資系企業と外国の商工会議所を対象に行った調査によると、外資系企業の99・4%は今年の中国経済の見通しに自信を表明している。

 天津財経大学の叢屹(そう・きつ)教授によると、中国によるハイレベルの対外開放の持続的な推進、市場化・法治化・国際化の進んだ一流のビジネス環境の構築に伴い、外資系企業は中国でより多くの発展チャンスを迎え、投資を引き付ける中国の力もさらに強まっていく見通しという。(c)Xinhua News/AFPBB News