【3月30日 AFP】中央アジア・トルクメニスタンは29日、今も実権を握るグルバングルイ・ベルドイムハメドフ(Gurbanguly Berdymukhamedov)前大統領(65)にちなんだ名を冠した新都市建設に、50億ドル(約6600億円)近くを投じると発表した。

 カスピ海(Caspian Sea)に面した旧ソ連構成国トルクメニスタンでは、16年以上にわたりベルドイムハメドフ家による支配が続いている。

 ベルドイムハメドフ氏は昨年退任し、長男のセルダル(Serdar Berdymukhamedov)氏(41)が後を継いだ。しかし、実権は「アルカダグ(庇護<ひご>者)」の敬称で呼ばれ個人崇拝の対象となっている父ベルドイムハメドフ氏が保持している。

 首都アシガバートから約30キロに位置する新都市は、ベルドイムハメドフ氏にちなみアルカダグと名付けられた。

 ベルドイムハメドフ氏は新都市について、何らかの形で「ギネス世界記録(Guinness World Records)」に載るようにと命じた。

 新都市建設委員会のデルヤゲルディ・オラゾフ(Deryageldi Orazov)委員長によると、アルカダグの建設費用は第1期で33億ドル(約4400億円)、第2期で約15億ドル(約2000億円)を見込んでいる。正確な額は入札後に判明するとしている。

 建設費総額は、2020年2月に発表された15億ドルをすでに大幅に上回っている。

 世界銀行(World Bank)によると、トルクメニスタンの国内総生産(GDP)は約450億ドル(約5兆9500億円)となっている。同国は天然ガス資源が豊富で、収益の大半を天然ガスから得ている。

 人権団体は、天然ガスで得た利益を国民にはメリットがないぜいたくなプロジェクトに浪費しているとして、政府を批判している。

 地震帯に位置するアルカダグの人口は約7万3000人と推定される。(c)AFP