【3月28日 CNS】「もしもし、私は『ユキヒョウの巣』にいるよ、何か用?」。ある午後、青海省(Qinghai)海西モンゴル族チベット族自治州(Haixi Mongol and Tibetan autonomous prefecture)天峻県(Tianjun)出身の写真家、蔡海勇(Cai Haiyong)さんは、冗談を言いながら友人からの電話を受けている。

「ユキヒョウの巣」の中の写真家は、蔡海勇さんにとって最も好きな「肩書き」の一つになった。

 天峻県の天峻溝は、写真家にとって「ユキヒョウの溝」となる。2017年にそこで、蔡海勇さんは初めて「憧れのユキヒョウ」と接することができた。

 何年も前には、一年に一度ユキヒョウを撮影することが夢だったが、今では年に3、4回撮影することが普通になり、クマ、チベットスナギツネ、オグロヅル、ワピチなどの野生動物に出くわすこともよくある。

 数年間にわたる撮影を続ける中で、蔡海勇さんは写真愛好家から野生動物保護者へと転身した。彼は自分で越えてはならないラインを設定した。「(撮影時)猛獣に出会うことがあるが、猛獣は決して攻撃的な行動をとることはなく、私たちが猛獣の正常な生活を邪魔しないように、動きが大きすぎないようにすれば、猛獣も私たちに望むように撮影させてくれる。だから、動物を邪魔しないことが私たちの撮影の基本原則だ」と、蔡海勇さんは述べた。

 天峻県の大部分は祁連山国家公園青海エリアに位置している。以前、多くの写真家が天峻県で撮影した作品が国際的に頻繁に賞を受けており、野生動物の撮影の「オスカー」と呼ばれるBBC国際写真コンテストの年間総合優勝作品も天峻県から生まれた。

 青海省祁連山自然保護協会の葛文栄(Ge Wenrong)会長によると、現在、天峻県から撮影された野生動物の写真は、自然生態系の一枚写真部門や組写真部門を含め、国際的に30以上の賞を受賞している。

 独特な地理的環境と野生動物資源を活かし、天峻県織合瑪郷(Zhihema)は「国際生態写真の町」を作り上げ、祁連山国家公園の特許事業を先導している。

 天峻県の翟斌(Zhai Bin)副書記兼副県長は、現在(天峻県)の生態環境は根本的に変化しており、野生動物の帰還を促しているのみならず、多数の写真家を天峻県に引きつけている。現在の天峻県は、多くの写真家の「聖地」になっていると述べた。

「より多くの国際レベルの撮影家たちが天峻県を訪れ、彼ら自身のレンズで野生動物保護の成果を記録してくれると同時に、より多くの人々に野生動物保護に参加してもらい、私たちが本当に自然と調和した生活を実現することを望んでいる」と、蔡海勇さんは語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News