【3月14日 CNS】中国・広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)桂林市(Guilin)平楽県(Pingle)は、古くは昭州(Zhaozhou)と呼ばれ、約1800年前には行政単位の県が設置された。

 この地では漓江(Li River)、荔江(Li River)、茶江(Cha River)が合流して桂江(Gui River)を形成し、数千年にわたって「黄金の水路」となってきた。その中から、平楽の郷土料理である「平楽十八醸」が生まれた。

「平楽十八醸は、北と南の食文化の融合の産物です。北方のギョーザや包子など粉食文化を受け入れながら、南方の豊かな果物や野菜を使って新鮮な味わいを作り上げています」。伝統の味の継承者である黄良平(Huang Liangping)さんはそう語る。

 平楽県張家鎮(Zhangjiazhen)に住む黄紅珍(Huang Hongzhen)さんも「醸した料理は平楽人の家庭料理であり、どの家庭でも作ることができます。特に春節(旧正月、Lunar New Year)には欠かせません」と話す。黄さん宅の平楽十八醸は、季節の野菜やキノコなどを調味料と香辛料に混ぜ、蒸したり、炒めたりして仕上げる。

 黄石秀(Huang Shixiu)さんが経営するレストランではタニシやモヤシ、ニンニクなども材料に使っている。

 タニシはゆでた上で殻から取り出し、豚肉やしいたけなどと一緒に刻み、大葉の葉を加えて生臭さを取り除き、そして殻に戻す。それを鍋で炒め、大葉や発酵タケノコの漬物、唐辛子などと一緒に煮込むと、スパイシーで美味しいタニシができあがる。

 黄さんによると、広東省(Guangdong)や広西チワン族自治区南寧市(Nanning)から訪れる観光客は、醸したサトイモ、トウガン、タマゴ、レンコンなどの軽い風味の料理を好んで食べるが、湖南省(Hunan)の観光客は辛い料理、特にタニシ、タケノコ、ニンニク、唐辛子を好むという。

「平楽十八醸は、さまざまな食材を入れることでバランスの取れた栄養食になる」。そう話す蘇東晗(Su Donghan)さんは、祖先が桂江ふ頭で飲食業を営んでいたという。2019年から彼と仲間は古書を読み、昔の料理人を訪ね、料理に磨きをかけてきたという。

 蘇さんの調理法は、もち米を鍋で炊き、刻んだ豚バラ肉、カリカリに挽いたピーナツを混ぜるか、ベーコンまたは塩漬けの魚を加えて鍋でソテーし、皮の厚い野菜の葉で包む。さらに鍋に油とニンニクのみじん切りを入れて香りが出るまで炒め、野菜の包みと水少々を加えて火が通るまで煮る。こうして醸した野菜は香ばしくてモチモチした食感が食欲をそそるという。(c)CNS/JCM/AFPBB News