【4月3日 東方新報】中国各地で早くも、5月のゴールデンウイーク旅行の予約が殺到している。コロナ禍がようやく明け、ステイホームから解き放たれた市民が「リベンジ観光」を楽しもうとしている。

 中国では、「労働者の団結の日」として国際的に知られている5月1日のメーデー(労働節)を祝日としており、前後の週末を「振替出勤日」にすることで、まとまった連休を作る。今年は4月29日から5月3日までが5連休となる。

 北京市で働く于(Yu)さんは「うちの家族は3年近く、どこにも旅行に行っていません。4月に予約していては間に合わないというので、早めに労働節連休の計画を立てました」と話す。

 北京市では中心部の天安門広場や若者に人気の南鑼鼓巷、上海市では観光名所の外灘や上海ディズニーリゾート周辺のホテルが既に満室となっている。西安市(Xi’an)や成都市(Chengdu)などの観光地は軒並み人気で、少数民族の里として有名な雲南省(Yunnan)麗江市(Lijiang)では1泊3718元(約7万727円)の高級ホテルも予約で埋まった。インターネットでは「空いているホテルが探せない」「安い航空チケットがなくなった」など旅行に関する書き込みが増えている。

 大手旅行会社の衆信旅遊(U-tour)の李夢然(Li Mengran)広報マネージャーは「コロナ期間中は、ぎりぎりまで感染状況を見極めた上で直前に予約を入れ、短期間の旅行をする人が大半でしたが、今は早め早めの予約になっています」と話す。

 予測では2023年の国内旅行者は延べ45億5000万人に上り、2019年の76%にまで回復する見込みという。

 コロナ期間中は海外旅行も制限されていたが、2月6日から一部の国向けに団体旅行を試験的に再開。3月15日から対象が60か国に拡大した。東南アジアのタイ、シンガポール、ベトナムや欧州のイタリア、フランス、スペイン、スイスが人気となっている。ベトナム向けは1000元(1万9023円)以下の航空便も出ているが、欧州向けはまだ高止まりの傾向という。

 北京第二外国語学院中国文化旅行産業研究所の呉麗雲(Wu Liyun)准教授は「市民のすべての生活は日常に戻った。旅行会社は将来を明るく見ている」と説明している。(c)東方新報/AFPBB News