【3月20日 AFP】中央アフリカのバンバリ(Bambari)近郊で19日、「武装したグループ」に襲撃されて中国人の鉱山労働者9人が死亡した。習近平(Xi Jinping)国家主席は、加害者を厳罰に処するよう中央アフリカ当局に異例の要請を行った。

 バンバリのアベル・マッチパタ(Abel Matchipata)市長によれば、事件が発生したのは19日午前5時ごろ。同氏はAFPに対して、9人が死亡、2人が負傷したとし、犠牲になったのは中国人労働者だと明らかにした。

 中国外務省もこの情報を確認。報道官は20日、習氏が中央アフリカに対して「負傷者の治療および事後処理を適時行うこと、法にのっとって加害者に厳罰を下すこと、中国国民の安全確保に全力を尽くすこと」を要請したとしている。

 中央アフリカの地元当局は、襲撃の詳細について明らかにしていない。

 一方、反政府勢力「変革のための愛国者同盟(CPC)」は19日、襲撃への関与を否定し、事件の背後にはロシアの民間軍事企業ワグネル(Wagner)が存在しているとする声明を発表した。

 中央アフリカは2013年のクーデター後、内戦に突入。旧宗主国のフランスが派兵していたが、国内の多くの地域は依然、反政府勢力に掌握されている。このためフォスタンアルシャンジュ・トゥアデラ(Faustin Archange Touadera)大統領は18年、弱体化した政府軍を補強するためロシア軍の「指導員」を招聘(しょうへい)し、20年にはロシアから多数の傭兵(ようへい)を招いていた。(c)AFP