【3月26日 AFP】ロシアによる侵攻開始以降、ウクライナ兵や市民の勇気をたたえる動画が多数拡散された。ネットミームにもなったものもある。

 有名なもの五つをまとめた。

■「ウクライナに栄光あれ」

 3月上旬、男性捕虜が「ウクライナに栄光あれ」と言った瞬間、射殺される様子を映した動画が拡散され、政府関係者をはじめ一般市民にも怒りが広がった。

 この男性の最期の言葉「ウクライナに栄光あれ」が、ソーシャルメディアでトレンド入りした。

 ウクライナ政府は13日、この男性が第163領土防衛部隊のオレクサンドル・イゴロビッチ・マツィエウスキー(Oleksandr Igorovich Matsievsky)さんだと発表した。軍によるとマツィエウスキーさんはモルドバ生まれで、東部ドネツク(Donetsk)で他の4人の兵士と共に捕虜となった。

■「くたばれ」

 侵攻が始まった昨年2月24日、ロシア海軍が黒海(Black Sea)のズミイヌイ島(スネーク島、Snake Island)を占拠した。ミサイル巡洋艦「モスクワ(Moskva)」の降伏呼び掛けに対し、ウクライナの警備隊は「くたばれ」と返した。

 このやりとりを捉えた動画が拡散されると、警備隊は抵抗の象徴となった。

「くたばれ」という言葉はネットミームとなり、国外で行われたウクライナ支持デモのプラカードにも使われた。国内では兵士が軍艦「モスクワ」に向かって中指を立てるジェスチャーをしている切手「ロシア軍艦、くたばれ!」も発売された。

 モスクワは4月中旬に沈没した。ロシア政府は船上で爆発が起きたためとしているが、ウクライナ側はミサイルで撃沈したと主張している。

■愛国歌

 ウクライナの愛国歌「ああ野の赤いガマズミよ(In the meadow, a red kalyna)」が昨年3月、国際的に注目された。ウクライナのバンド「ブームボックス(BoomBox)」のメンバー、アンドリー・フリウニュク(Andriy Khlyvnyuk)さんが歌ったのがきっかけだ。

 フリウニュクさんは米国ツアーを中止し、入隊するために帰国。フル装備の戦闘服を着て、首都キーウの聖ソフィア大聖堂(St. Sophia Cathedral)を背景にアカペラで「ああ野の赤いガマズミよ」を歌った。この動画が拡散されたのだった。

 同年4月には、英バンド「ピンク・フロイド(Pink Floyd)」がウクライナ支援のため約30年ぶりに新曲を出すと発表。「Hey, Hey, Rise Up!」にはフリウニュクさんの歌声がサンプリングされた。

 この曲はロシアの音楽ストリーミングサービス「ヤンデックス・ミュージック(Yandex Music)」では配信されていない。