【3月7日 CNS】中国は2月6日から試験的にアウトバウンドの団体ツアーや「航空券+ホテル」の旅行サービスを再開した。以来、長期間抑制されていた中国人観光客の旅行への熱意が急速に高まっている。アウトバウンド団体ツアーが再開されると、北京市、上海市、広州市(Guangzhou)など各都市から多くの団体観光客が次々と出発し、中国からのツアー第1陣はタイ、カンボジア、アラブ首長国連邦、スイスなどに到着した。一部のオンライン海外旅行商品は一時、予約困難な状況になった。

 中国国家移民局によると、2月6日に中国を出入国した人の数は67万6000人に達し、新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、最多を記録した。急速な回復は市場全体を後押ししている。中国旅行大手、中青旅(CYTS)のデータによると、中青旅旅行サイトのアウトバウンド団体ツアーおよび「航空券+ホテル」の相談件数は前年同期比300%以上増加した。

 業務量の急増により、最近多くの旅行会社が大量の求人情報を発信している。業界関係者は、海外旅行に対する中国の巨大な需要は今後もなくならないと予測しており、今年の5月の大型連休は新たな旅行のピークになる可能性がある。

 中国人観光客の団体旅行先は、気候が良く入国手続きも比較的便利な東南アジア諸国が第一候補になっている。しかし、中国人観光客の日本への渡航意欲は引き続き高いと予想されている。コロナ前の2019年10月の大型連休は、最も多くの中国人の海外旅行客が訪れた目的地は日本であった。京都、大阪、東京、北海道、鹿児島など多くの都市が中国人観光客に人気の旅行先だ。

 データによると、2019年の国慶節の連休中に日本を訪れる中国人観光客は、男性よりも女性が多く、80年代以降と90年代以降生まれの若い世代が中心だった。一人当たりの消費額は約24万3000円だった。また、日本への旅行客のほとんどは中国の大都市から来ており、上位5都市は北京市、上海市、広州市、深セン市(Shenzhen)、杭州市(Hangzhou)だった。

 観光は日本経済の柱の一つでもある。2019年のさまざまな観光データを例にとると、観光産業はその年の日本の国内総生産(GDP)に約7.3%貢献した。公式データによると、2019年の訪日外国人観光客数は3188万人で、そのうち中国からの観光客は1677万人と訪日外国人全体の52.6%を占めた。消費の面でも、中国本土の観光客の消費は1位にランクされ、合計1兆7700億元(約34兆7713億円)と日本を訪れる外国人全体の消費の36.8%を占めた。(c)CNS/JCM/AFPBB News