【2月7日 CNS】かつては、帰省や旅行でにぎわう春節(旧正月、Lunar New Year)連休は、不動産市場では販売のピークシーズンだったことはほとんどなかった。しかし、感染対策が新たな段階に入り、有利な政策環境の下で、2023年不動産市場の「春節期間」の実績が注目を集めている。

 物件探しの熱がこの春節期間で上昇した。58安居客房産研究院の統計データによると、2023年の春節期間に各線都市の物件探しの熱を示す指標は前年同期比3.7%上昇し、一線都市については前年同期比3%の微減、新一線都市では前年同期比横ばい、二線都市では前年同期比6.3%の上昇を示した。

「最近、問い合わせが多いが、まだ様子見という方がほとんどです。毎年、春節後に住宅価格や取引件数、家賃が上がる、いわゆる『小春日』なので、連休中の住宅購入者はあまりいない」と、上海で働く不動産業者の孫(Sun)さんは述べた。

 購入希望者を引き留めるため、さまざまな新築住宅キャンペーンが実施されている。

 省都都市で働く不動産業者の蔣(Jiang)さんは、新築住宅キャンペーンは多いが、中古物件の価格は比較的安定している。「特に最近は、学齢期のお子さんを持つ親御さんが、家の購入や買い替えを検討する時期にも来ているため、学区房(優良校の学区内にある住宅)に代表される中古物件の人気が依然として高い」と述べた。

 中国の不動産関連の調査機関の貝殻研究院のデータによると、2023年の中古物件の物件探し・購入件数は、昨年の春節に比べ明らかに増加している。

 春節期間の内覧件数を見ると、中国オンライン不動産取引プラットフォームの貝殻找房の50都市における中古物件の内覧件数は、2022年に比べ28%増加した。成都市(Chengdu)と重慶市(Chongqing)では、昨年に比べ、中古物件の内覧件数がそれぞれ1.5倍、1倍に増加した。珠江デルタの主要都市でも市場の活性化が見られ、恵州市(Huizhou)、東莞市(Dongguan)、仏山市(Foshan)における中古物件の内覧件数が、前年同期比で倍増し、深セン市(Shenzhen)は86%増となった。

 春節期間の取引件数を見ると、貝殻找房の50都市における中古物件の取引件数は、2022年比で57%増加した。1月1日-27日の取引水準は基本的に2022年12月通月の水準に近く、京津冀(北京・天津<Tianjin>・河北<Hebei>)地域の主要都市では2022年12月の市場回復傾向を1月も継続している。北京市、廊坊市(Langfang)、天津市、石家荘市(Shijiazhuang)はすでに2022年12月通月の取引水準を上回り、4都市全体の1日平均取引水準は38%増加した。

 貝殻研究院(Beike Yanjiuyuan)は「先行指標では、珠江デルタの主要都市と京津冀地域の主要都市が他の都市群より好調で、第1四半期に市場回復の勢いを維持すると予想される」と指摘した。(c)CNS/JCM/AFPBB News