【3月7日 CNS】2023年春の新学期、中国のメガネ市場には活気があふれている。北京市中心部にある潘家園(Panjiayuan)の「メガネ城」は人であふれかえっていた。このビルには500を超えるメガネ店が入居している。

 メガネ城の従業員である姜(Jiang)さんは「朝から晩までお客さんが続々と来て、水を飲む暇もなかった」と話す。昨年はコロナの影響でメガネ市場は全体的には横ばいだったが、「今年の新学期シーズンは盛況で、店はにぎわいを取り戻している」という。

 業界関係者によると中国では近年、メガネの利用シーンが広がっており、他社との差別化やカスタマイズが重要視されるようになっている。

 まず、個性的なメガネへの需要だ。一人で複数のメガネを持つことがあたりまえになっており、需要が増加している。近年、視力矯正、近視の進行の遅延、ブルーライトカット、スポーツ用、ファッションや美容向けなど、さまざまな機能を持つメガネを発売し、メガネはアクセサリーになりつつある。

 第2に、中国のメガネフレーム小売業界の驚くべき利益率を多くの消費者が知るようになり、卸売市場に直接買い付けに行くようになった。現在、卸売市場の一部の商店は、専門の眼科病院に劣らない検眼や調整などのサービスを人々に提供しており、多くの消費者の信頼を獲得している。

 第3に、ネット通販でメガネを購入する人が急増している。オンライン販売は、店舗の家賃や人件費などのコストを節約することができるため、実店舗よりも大幅に安くなる。このため、中国の若い消費者が眼鏡を購入する主な方法の1つになっている。中国の市場コンサルティング会社・艾凱(Icandat)のデータによると、2007年から2021年にかけて、中国のオンラインメガネ販売チャンネルの割合は1.3%から17.0%に大幅に増加した。中国のメガネ小売市場の規模は2025年に470億元(約9233億円)を超えると予想されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News