【3月2日 AFP】マダガスカル原産の小柄な鳴鳥「ススケマダガスカルヒヨドリ」が、24年ぶりに2か所で1羽ずつ目撃された。1999年に北東部の熱帯雨林で確認されたのを最後に目撃情報がなく、絶滅が危惧されていた。アメリカ鳥類保護協会(American Bird Conservancy)が1日、発表した。

 米国の鳥類保護団体「ハヤブサ基金(Peregrine Fund)」が率いる国際チームが昨年12月、最後の目撃場所から車で40時間、さらに徒歩で半日離れた場所に調査に入った。保護区にもかかわらず周辺の森林の大半は伐採され、バニラ農園に変わっていた。

 8日後に、アメリカ鳥類保護協会で失われた鳥の探索プログラムを率いるジョン・ミッターマイヤー(John Mittermeier)氏が、岩がちな川べりに密生した下草を飛び回るススケマダガスカルヒヨドリを発見。写真に収めた。

 ミッターマイヤー氏によると、密集した熱帯林での鳥類観察は鳴き声を聞くことが中心となるため、音が多い河川のそばは避けられる傾向にある。そのため、「ススケマダガスカルヒヨドリが川の近くを好むとすれば、それが長年目撃情報がなかった理由かもしれない」と指摘した。

 第2のチームが見つけた別のススケマダガスカルヒヨドリも、川に近い茂みの中で大半を過ごし、湿った下草に潜む昆虫などを餌にしていたと思われる。

 マダガスカルは世界で最も豊かな生物多様性ホットスポットとして知られる。生息する鳥類115種の半数以上は固有種で、他所には生息していない。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは、うち40種以上が絶滅危惧種に分類されている。(c)AFP/Marlowe HOOD