【2月28日CNS】中国でサブスク型のオンライン動画配信サービスが増える中、会費を巡るトラブルが続いている。

 最近、映画やドラマなどを配信するサービス大手「愛奇芸(iQIYI)」の会員が「3台のデバイスで愛奇芸に接続したら、アカウントがブロックされた。さらに『ブロックを解除するには、より高額の会員になる必要がある』と誘導された」と明かし、ネットユーザーの間で議論を呼んだ。

 愛奇芸側は「技術的な理由により、一部のユーザーがブロックを解除する際に間違ったページにジャンプした」と説明。「会員は自分のパスワードを変更することでブロックを解除できる。より高額な会員になる必要はない」と表明したが、不信感を抱いている会員もいるという。

 別の動画配信サービス大手「優酷(Youku)」でも会費を巡る論争が起きた。サイトに大きく「月額1元(約19円)で動画が見放題」と宣伝。ただ、契約は1年間で、最初の月を除いて毎月12元(約235円)が自動的に課金される仕組みだった。しかも途中で解約すると利用した期間分、本来の会費である月額25元(約489円)を追加で払う必要があった。

 陝西省(Shaanxi)安康市(Ankang)の柯(Ke)さんは「私には長期契約は必要ないので、1元の会費を払って人気のドラマだけ見て解約した。すると、すぐに『(差額の)24元(約470円)を課金しました』と通知された」と打ち明ける。

 優酷側は「これはあくまで特別キャンペーンで、途中解約のルールも表示している」と説明。しかし利用者からは「表示が明確ではなかった」と不満が出ている。

 近年、中国の動画配信サービスの会員数は頭打ちの状態だ。会費は上昇傾向にある一方、会員の特典は減っているという。さらにライバルとなるショート動画投稿プラットフォームの利用者が増加しているため、多くの動画配信プラットフォームは会費の「掘り起こし」に力を注いでいる。

 中国政法大学(China University of Political Science and Law)の陳忠雲(Chen Zhongyun)教授は「動画配信プラットフォームが苦戦しているのは、高品質のコンテンツを提供できていないのが原因。会員を引っかけるような手法で課金しても、長期的な発展はない。コンテンツの充実こそが王道だ」と指摘している。(c)CNS/JCM/AFPBB News