【2月27日 AFP】ボクシング、WBC世界ヘビー級王者のタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)の異母弟トミー・フューリー(Tommy Fury、英国)と、ユーチューバーでプロボクサーのジェイク・ポール(Jake Paul、米国)によるクルーザー級の一戦が27日、サウジアラビアのディルイーヤ(Diriyah)で行われ、フューリーが判定の末2-1で勝利した。

 フューリーは最終8回にダウンを喫しながらも判定で勝利し、試合途中から自身を応援するようになっていったサウジアラビアのファンを沸かせた。フューリーの異母弟だが、それよりも英リアリティー番組「ラブ・アイランド(Love Island)」の出演者として有名なフューリーは、涙を見せながら、この勝利で「自分なりのものを残すことができた」と話した。

 一方で「問題児」を自称するポールは、試合後「合宿で2回、ひどい病気にかかった」「腕をけがしていた」と主張。「言い訳ではない」と話したが、観客からは大ブーイングを浴びた。

 SNSとユーチューブ(YouTube)で人気を集め、約5年前にボクシングに路線変更したポールは、過去に別のユーチューバーや総合格闘家と対戦して6戦全勝(4KO)だったが、同じく無敗のフューリーとの対戦で初めて土が付いた。

 異色の経歴を持つ二人の対戦に向けては、どちらの選手も真剣に受け止めるべきではないのではという見方も強かったが、それでもサウジの関係者はボクシング界への影響を強めている表れとして、ファイトを売り込んだ。

 同国では、2019年にアンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)対アンディ・ルイス・ジュニア(Andy Ruiz Jr、米国)、2022年にもジョシュア対オレクサンドル・ウシク(Oleksandr Usyk、ウクライナ)の世界ヘビー級タイトルマッチが行われている。(c)AFP