【2月21日 AFP】ロシアとベラルーシのアスリートが中立の立場で2024年パリ五輪に参加できるようにするという提案をめぐり、世界30か国以上の政府は20日、国際オリンピック委員会(IOC)に理由の「明確化」を求めた。

 昨年2月にロシアがベラルーシ領からウクライナ侵攻を開始して以降、両国はスポーツの主要国際大会から除外されている。そうした中で、先日IOCはこの二つの国のパリ五輪参加を認める「道筋」を検討していると明らかにし、ウクライナから猛反発を買った。

 ウクライナに同調する各国は、AFPが確認した共同書簡で「ロシアのアスリートと同国軍の強固な結びつきや連携」を特に考慮した上で、「ロシアとベラルーシのアスリートがそれぞれの国家から直接的に資金援助や支援を受けているのに、どのようにして『中立』の立場で競技に臨めるようにできるのか、われわれは強く懸念している」と表明した。

 さらに「ロシアのウクライナ侵略に関する状況が全く変わっていない現状において、ロシアとベラルーシのアスリートを排除するというIOCの制裁を解除する実質的な理由は何もないと固く信じている」とし、「これらの根本的な問題に加え、実現可能な『中立』の立場に関する明確さと具体的な詳細が大きく欠如していることに対処しない限り、ロシアとベラルーシのアスリートを競技に復帰させることには同意できない」と締めくくった。

 この共同書簡に先立ち、今月上旬には英ロンドンでフランス、英国、米国、カナダをはじめとした約30か国のスポーツ相によるオンライン会議が開かれ、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領も出席した。(c)AFP