【2月13日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は12日、ウクライナの選手が味わっている「悲しみと人としての苦しみ」を共有していると話す一方で、国際スポーツ大会に誰が参加するかは個々の政府が決めることではないと強調した。

 開催中のアルペンスキー世界選手権(FIS Alpine World Ski Championships 2023)の会場を訪れたバッハ会長は、ロシアによる軍事侵攻の開始からおよそ1年がたつ中、ウクライナの選手は「彼らの悲しみと人としての苦しみをわれわれがどれだけ共有しているか、彼らを助けるためにどれだけ努力しているかを分かっている」と話した。

 一方で会長は、「どのスポーツ大会に誰が参加するかは、個々の政府が決めることではない。そうなれば、われわれの知る国際スポーツ大会と世界選手権、五輪は終わりだ」と続けた。

「ウクライナの全選手について、人間的な視点から彼らの反応は理解できるし、われわれも苦しみを共有している。だからこそ、彼らと全面的に連帯しウクライナ内外の選手をサポートしている」

「しかし選手の参加に関しては、われわれの平和のミッション、つまり人々を一つにするという統一ミッションを達成しなければならない」

 この件についてバッハ会長は、すでに中立の立場でロシアとベラルーシの選手が参加しているテニスなど、一部のスポーツにはパラドックスがあると付け加えた。

「知っての通り、(テニスの)全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2023)はベラルーシの選手が中立の立場で優勝した。であれば、例えば水泳や体操でも可能なのではないか」 (c)AFP/Luke PHILLIPS