【2月6日 AFP】ドイツ連邦検察のペーター・フランク(Peter Frank)検事総長は5日、ウクライナにおけるロシア軍の戦争犯罪の証拠「数百点」を収集したことを明らかにした上で、ロシア指導者を裁くため、国際的な取り組みを呼び掛けた。

 フランク氏は、独紙ウェルト日曜版(Welt am Sonntag)に掲載されたインタビューで「現時点では(ウクライナの首都キーウ近郊の)ブチャ(Bucha)での大量殺害および民間インフラ攻撃に焦点を合わせている」と語った。

 フランク氏はまた、証拠の大半はウクライナ避難民からの聞き取り調査に基づくものと説明。今後は「ドイツ国内もしくは他国との共同方式での裁判、あるいは国際裁判に備える」と述べた。

 ただしドイツ国内で戦争犯罪者を訴追するには、容疑者が国内にいることが前提となると認めた。

 アナレーナ・ベーアボック(Annalena Baerbock)外相も先月、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり特別法廷の設置を呼び掛けた。

 国際刑事裁判所(ICC)は昨年、ロシアの戦争犯罪について独自の調査に着手したが、ロシア、ウクライナ両国はICCに加盟していないため、原則的にはロシアの容疑者を訴追できない。

 ブチャでは昨年3月、ロシア軍の撤退後に数百人の遺体が見つかった。これを受けて国際社会では非難と戦争犯罪追及の声が高まったが、ロシアは繰り返し犯罪行為を否定している。(c)AFP