【2月3日 AFP】男子テニスのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は3日、元交際相手への暴行で訴えられていた裁判で、暴力を振るったことは認めたものの、有罪判決を免れた。

 27歳のキリオスはこの日、豪キャンベラの治安判事裁判所に出廷し、2021年1月10日に当時の恋人であるキアラ・パサーリさんと口論がエスカレートした際に相手を地面に押し倒したことを認めた。

 キリオスの弁護人は、単発的で普段からは考えられない出来事だったと主張し、同選手がメンタルヘルスの問題を抱えていたことを理由に訴えの棄却を求めていた。

 判事はキリオス側の主張を聞いた上で訴えを棄却。キリオスの行為は不適切だったとしながらも、暴力は計画的ではなく、緊張した状況で自分を解放しようとした若者による「愚行の一つ」だったと判断した。

 この裁判は、キリオスが楽天ジャパンオープン(Rakuten Japan Open Tennis Championships 2022)出場を控えた昨年10月、専門家が裁判所に提出するメンタルヘルスの報告書を作成できるようにするため、延期になっていた。

 膝のけがで先月の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2023)を欠場したキリオスはこの日、現在の恋人と母親に付き添われ、松葉づえをついて脚を引きずりながら裁判所に入った。

 キリオスは裁判後にコメントを発表し、「(当時は)良い環境におらず、難しい状況に対して深く悔いが残る反応をしてしまった」と述べ、「問題がなかったわけではないことは理解している。自分のせいで生まれた傷について心から申し訳なく思う」と謝罪した。(c)AFP