【1月30日 AFP】ウクライナ大統領府のミハイロ・ポドリャク(Mykhailo Podolyak)顧問は30日、ロシアとベラルーシの選手の国際大会復帰を検討すると表明した国際オリンピック委員会(IOC)について、「戦争を助長」していると非難した。

 ポドリャク氏はツイッター(Twitter)に「IOCは戦争と殺人、破壊を助長している。IOCはロシアがウクライナを破壊する様子をうれしそうに眺めた後、ジェノサイド(集団殺害)を助長し、さらなる殺人行為を奨励するための舞台をロシアに提供しようとしている」と投稿。

 さらにトーマス・バッハ(Thomas Bach)IOC会長に向けて、「五輪の偽善を買うロシアの金からは、ウクライナ国民の血の臭いはしないようだ。そうですね、バッハ氏?」と問い掛けた。

 ロシアによるウクライナ侵攻開始以降、ロシアとベラルーシは五輪競技のほぼすべての大会から除外されてきた。

 だがIOCは先週、自国を代表しない中立の立場での参加など、両国の選手の参加を認める「道筋」を検討していると表明し、批判にさらされている。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は29日夜の定例会見で、来年のパリ五輪でロシアの参加を認めれば、「テロは許容し得るものだ」という態度を示すことになると指摘。

 さらに、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領と先週電話会談を行った後に、この件に関して書簡を送ったことも明らかにした。

 その上でゼレンスキー大統領は、「ロシアによる侵略や愛国主義の宣伝に、五輪やその他の国際スポーツ大会を絶対に利用させてはならない」と訴えた。(c)AFP