■根強いステレオタイプ

 Waffle広報の辻田健作氏(42)は、日本における理工系のジェンダーギャップが依然、大きいと感じている。その背景として、学校教育における男女の役割分担の刷り込みが挙げられると言う。

「例えば、理科の授業でアルコールランプとか危険な実験をするのは男子で、それを記録するのは女子。部活でも競技によって女子は記録係。それを教育(の場)で受けていると次の世代に再生産していく。そういう隠れたカリキュラムも問題」と指摘する。

 経済協力開発機構(OECD)によると、2019年に高等教育機関に入学した女子学生のうち、加盟国平均で52%が自然科学、26%が工学を選んだ。日本は27%が自然科学、16%が工学と、比較可能な36か国中、最低だった。

 数学・物理分野におけるジェンダー問題を研究している、東京大学の横山広美教授は、「日本の理系の女性は極めて少ない」と警鐘を鳴らす。

 主な要因として、算数・数学は生まれながらにして男子の方ができるという間違った認識である「数学ステレオタイプ」があり、日本ではこの影響が強い。数学ステレオタイプは5歳頃から芽生え始め、女子生徒は理科や数学を中学で嫌いになる傾向がある。横山氏は「数学ステレオタイプは強く、これを否定して、勉強を継続するように促すことが大事」と言う。

「特に女子生徒の場合は、最初からSTEM(科学・技術・工学・数学)分野を勉強することを応援されない雰囲気がある。自分の意思で決定していると思っているが、社会的に方向付けられている壁はたくさんある」