合成繊維廃棄物を化学的に選別する技術模式図(写真=韓国化学研究院)(c)MONEYTODAY
合成繊維廃棄物を化学的に選別する技術模式図(写真=韓国化学研究院)(c)MONEYTODAY

【01月27日 KOREA WAVE】韓国の研究チームが「合成繊維廃棄物」を化学的に選別し、プラスチック原料であるモノマーに転換する技術を初めて開発した。合成繊維は代表的な衣類素材で繊維を形成する高分子物質だ。チームは来年末までに1万トン規模の実証プラントを構築し、リサイクル技術を商用化する計画だ。

韓国化学研究院のチョ・ジョンモ博士のチームは最近、米国化学会(ACS)の国際学術誌「ACS持続可能な化学・工学」にこうした研究成果を掲載した。研究の革新性が認められ、同学術誌の創刊10周年表紙論文に選定された。

地球全体の温室効果ガス排出量のうち衣類産業が10%ほどを占める。特に合成繊維は安価で耐久性に優れ、衣類生産量の60%を占める。しかし、プラスチックのように腐らず、環境汚染を引き起こす主要因となる。さらに衣類染料は脱・変色を防止するように考案され、除去が難しいだけでなくリサイクル過程で化学作用を妨害する。

このため、世界の研究者たちは繊維と石油をベースとした合成素材をリサイクルするという難題に挑戦してきた。

現在までは透明できれいなPET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルを繊維としてリサイクルする技術だけが開発された程度だ。これは合成繊維廃棄物が混合廃棄され分類が難しいためだ。合成繊維衣類を分類してもリサイクル過程で各種異物が含まれ限界があった。

韓国化学研究院の研究チームは、多様な衣類廃棄物の中からポリエステル素材だけを選び出す化学的選別技術を生み出した。ポリエステルだけに作用する「抽出剤」を繊維廃棄物に接触させ、これらを別途分離する過程を経た。特に繊維廃棄物を選別し、脱染料化過程で生分解性化合物を活用して環境にやさしい技術を実現した。

研究チームはさらに、ポリエステル繊維を低温分解して合成以前のモノマー原料に戻す化学的リサイクル技術も開発した。低温分解方式で有色ペットボトルやポリエステル繊維を素早く分解した。従来の技術が200度以上に温度を上げて分解したとすれば、化学研技術は150度以下でも完全分解できる。熱エネルギーをあまり使わないため、経済性と安全性が高い。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News