【1月25日 AFP】イランで反体制の抗議活動に参加して撃たれ、左目の視力を失った女子アーチェリー選手のコサル・ホシュノディキア(Kosar Khoshnoudikia)が、「後悔はない」と語った。

 イランでは、服装規定違反の疑いで逮捕されたマフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)が道徳警察の拘束下で死亡した問題をきっかけに、昨年9月から全国で抗議運動が続いており、当局が4か月以上にわたって厳しい取り締まりを続けている。

 ノルウェーの人権団体ヘンガウ(Hengaw)によれば、ホシュノディキアはクルド人の多い西部にある出身地ケルマンシャー(Kermanshah)で昨年抗議に参加した際、治安部隊に撃たれたという。

 しかしホシュノディキアは、在英ペルシャ語放送イラン・インターナショナル(Iran International)が23日に投稿した動画の中で、「あの日、あのとき、あの場所にいたことに後悔は感じない」と話した。頭を覆うスカーフは着けず、左目を眼帯で隠したホシュノディキアは、撃たれたのは昨年12月で、父親とともにケルマンシャーでデモ行進に参加していたときだと明かし、「3発が右手に、1発が左目に当たった」と話した。

 アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)をはじめとする人権団体は、治安部隊が実弾や金属のペレットを至近距離から発射したことで、視力を一部、もしくはすべて失った抗議参加者が複数いると非難している。

 ホシュノディキアはイラン代表の一員で、2021年のアーチェリーアジア選手権(2021 Asian Archery Championships)では、女子コンパウンド団体で銀メダルを獲得したが、キャリア再開の見込みには言及しなかった。ホシュノディキアは「起こったことに悲しみはまったくない。失ったものもあるが、多くのものを手に入れた」と話している。(c)AFP