【1月24日 AFP】米司法省は23日、米国がロシアの富豪オレグ・デリパスカ(Oleg Deripaska)氏に科している制裁に違反して同氏を支援したとして、連邦捜査局(FBI)の元特別捜査官を逮捕・起訴したと発表した。

 デリパスカ氏はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の支持者で、同国政府との関係や、同国による2014年のウクライナ南部クリミア(Crimea)半島併合への関与をめぐり、18年に米国から制裁を科された。昨年9月には、制裁に違反して自身の子ども2人に米市民権を取得させようとしたとして、米国で起訴されている。

 今回起訴された元特別捜査官はチャールズ・マクゴニガル(Charles McGonigal)被告(54)。18年に引退するまでFBIニューヨーク支局の対諜報部で、デリパスカ氏を含むロシア富豪の捜査を率いていた。その際、同氏から秘密裏に報酬を受け取り、同氏と対立関係にあるロシア富豪を捜査対象にしたとされる。

 マクゴニガル被告は21日、共犯者とされるロシア人の元外交官の男(69)と共にニューヨークで身柄を拘束された。制裁回避の共謀やマネーロンダリング(資金洗浄)など4件の罪で起訴されており、有罪となれば1件につき20年以下の禁錮刑が言い渡される可能性がある。(c)AFP