【7月19日 AFP】ポーランドとリトアニアは18日、ロシア製の顔写真編集アプリ「FaceApp(フェイスアップ)」について、使用することでセキュリティー上の危険が生じる可能性を調査していることを明らかにした。ソーシャルメディア上では、同アプリを使って「老け顔」にした自分撮り写真(セルフィー)の投稿が流行していた。

 フェイスアップの開発元は使用に際する安全性を保障しているが、ポーランドのデジタル化省は、同アプリがユーザーの個人情報にもたらすセキュリティー上の危険を「分析している」と発表。

 また、欧州連合(EU)に加盟する隣国リトアニアの副国防相は18日、AFPに対し、フェイスアップがユーザーの個人情報に影響を与え得る潜在的脅威について同国のサイバーセキュリティー当局が調査していると説明。さらに、フェイスアップの開発元がEUのデータ使用規制に違反している可能性のある他のロシアインターネット企業と協働していたことも明らかにした。

 フェイスアップに対する懸念は米国でも浮上している。チャック・シューマー(Chuck Schumer)民主党上院院内総務は17日、連邦捜査局(FBI)と連邦取引委員会(FTC)に対し、フェイスアップに関する「国家安全保障とプライバシーのリスクについての調査」を要請した。

 フェイスアップはグーグルプレイ(Google Play)で1億回以上ダウンロードされており、人気急上昇中の無料アプリの一つとなっている。リリースは2年前だが、最近になって年齢変化フィルター機能が追加されたことで、有名人が相次いでセルフィーを投稿し、人気に火が付いていた。

 フェイスアップのヤロスラフ・ゴンチャロフ(Yaroslav Goncharov)最高経営責任者(CEO)は米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)に対し、ロシア当局はユーザー情報に一切アクセスできないと説明。大半の写真は48時間以内にサーバーから削除され、写真は他の目的で使われることはないと言明した。(c)AFP