【5月31日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は30日、2016年米大統領選へのロシア介入疑惑をめぐる捜査とロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官への猛批判をツイッター(Twitter)上で展開した際、自身の大統領当選をロシアが手助けしたと認めるかのようなコメントを投稿した。

 ロシアが米大統領選に大きく干渉したと2017年1月に当時の連邦捜査局(FBI)長官が公表して以来、トランプ氏が「ロシアの支援」を「認めた」のは今回が初めて。

 ハッキングやソーシャルメディアの操作を通じてロシアが主に対立候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏にダメージを与え、トランプ陣営を後押ししたとの指摘に対し、トランプ氏はこれまで、自身の勝利の正当性を否定するあらゆる疑惑を断固として否定してきた。

 ところが30日、トランプ氏は「ロシア、ロシア、ロシア! でっち上げの魔女狩りが始まってから、聞こえてくるのはこればかりだ」とツイートし、モラー氏が2年間に及ぶ捜査での司法妨害疑惑について米議会での弾劾手続きに言及したことに怒りをぶちまけたのに続き、「そして今、ロシアは消えた。なぜなら、ロシアが私を当選させようと支援したことと、私は無関係だからだ」と投稿した。

 このツイートは、トランプ氏がヒラリー氏に大番狂わせで勝利した背景にはロシア政府の介入という支援があったとの元FBI長官の主張を、初めて認めたようにも読める。

 トランプ氏はこのツイートを削除していないが、直後に撤回を図るかのような発言をしている。同氏は報道陣に対し、ロシアは「むしろ、対立陣営(クリントン陣営)を支援していた」と主張。「ロシアが私を当選させたのではない。誰が私を当選させたか、知っているだろう? 私自身だ」「ロシアは私を一切支援しなかった」と続けた。(c)AFP/Jerome CARTILLIER