仏年金改革抗議デモ参加者、警察の殴打受け負傷 睾丸切除
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【1月23日 AFP】フランス・パリで先週、年金制度改革案に抗議するデモにカメラを持って参加していた男性が、警察官から警棒で股間を強く殴打されて負傷し、片方の睾丸(こうがん)の切除を余儀なくされた。男性の代理人弁護士が22日、明らかにした。
インターネットで拡散している19日のデモの様子を捉えた動画には、カメラを所持し、地面に倒れている男性の両脚の間を警察官が殴打し、立ち去る様子が映っている。
代理人によると、男性はスペイン系の26歳で、カリブ海(Caribbean Sea)にある海外県グアドループ(Guadeloupe)在住のエンジニア。デモの写真を撮っていた。「公権力の行使者による、体の一部切断につながる故意の暴力」を受けたとして、被害届を出す意向だという。
さらに、「殴打は激しく、片方の睾丸を切除しなければならなかった」と代理人は説明。男性は現在も入院中でショック状態にあり、なぜ負傷する羽目に陥ったのかと問い続けているという。
この事態を受けてパリ警視庁は、内部調査を指示したと発表。一方で、今回の出来事は「過激な暴力を背景に、暴力的な個人を拘束するための警察活動の範囲内で起きた」との見解を示した。
内務省によると、パリで19日に行われたデモには約8万人が参加。年金制度改革案には、年金支給開始年齢を62歳から64歳に引き上げることが含まれており、各地で抗議活動が続いている。(c)AFP