【1月19日 AFP】インドのレスリング界で多くのメダルを獲得した女子選手のビネシュ・フォガト(Vinesh Phogat)が、インドレスリング連盟(WFI)の会長やコーチ陣が、複数の選手にセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を行ったと訴え出た。

 コモンウェルスゲームズ(Commonwealth Games、英連邦競技大会)で3度の金メダル獲得を誇るフォガトは、他の男女トップレスリング選手の支持を受け、ニューデリーで行われた抗議デモでこの批判を行った。

 フォガトは記者団に対し、国会議員でもあるWFIのブリジ・ブシャン・シャラン・シン(Brij Bhushan Sharan Singh)会長とコーチたちが非難されるべき人物だと述べた。

「女子レスリング選手は、合宿でコーチやWFI会長からセクハラを受けている。私は合宿にやってきた少なくとも10~20人の女子選手を知っていて、彼女たちが私に打ち明けに来たのです」

 インドは階層社会のため、多くの選手は出自が卑しいために名乗り出るのをためらっていると明かしたフォガトは、自分自身が被害者であることは明言していない。

 抗議デモに参加した女子選手で、五輪銅メダリストのサクシ・マリク(Sakshi Malik)も支援の声を上げ、「選手たちは国のためにメダルを獲得しようと懸命に頑張っているが、連盟は何もしないどころか私たちを失望させるだけ」と述べている。

 地元メディアの報道によると、シン会長はセクハラを証明した女子選手が一人でもいれば「つるし上げられる覚悟はできている」と述べ、疑惑を否定しているという。

 スポーツ省はこの疑惑を受け、WFIに72時間以内の対応を求めているとも報じられている。(c)AFP