【1月31日 AFP】北京冬季五輪で、メダルラッシュが期待される韓国のショートトラック陣だが、彼らには今回、ここ数年の醜聞を過去のものにするという責任も課されている。

 韓国は1992年の競技採用以来、金メダル24個を含む最多48個のメダルを獲得しているショートトラック強国だ。しかし、2018年の平昌冬季五輪以降は性的暴行やいじめ、さらにはレース妨害の告発が続いている。

 五輪開幕まで数週間となった1月下旬にも、代表のチームメートを侮辱して資格停止処分を受けていた女子の沈錫希(Shim Suk-Hee、シム・ソクヒ)の申し立てを裁判所が退けたと聯合(Yonhap)ニュースが報じ、有力選手が五輪出場の可能性を断たれる事態になった。

 沈は韓国でも最も成功を収めたスケーターの一人で、2014年ソチ冬季五輪と2018年平昌冬季五輪のリレーでの金を含め、五輪で計4個のメダルを獲得した。しかし平昌大会中にコーチへ送ったメールで代表のチームメートを侮辱していたことが発覚し、昨年12月に大韓スケート連盟(KSU)から資格停止2か月の処分を受けた。

 メールの中で沈は、チームメートの崔珉禎(Choi Min-jeong、チェ・ミンジョン)と同じレースに出場することになった場合は転倒させると示唆し、実際に1000メートル決勝で顔を合わせると、両選手は終盤に接触して転倒し、沈は失格、崔は4位となった。

 その後、調査担当者は証拠がないことを理由に、沈が意図的に崔を妨害したわけではないと結論づけた。地元メディアによれば、崔は沈に対し、謝罪のため自分に近づくのはやめるよう言っていたという。

 それでも騒動の中で、選手の李有彬(Lee Yu-bin、イ・ユビン)は前向きさを保っている。李は会見で「チームの雰囲気が悪くなることを予想している人もいると聞いた」と話しつつ、「だけどムードはとてもいい」と続けた。